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Takashi KAKETA 懸田 貴嗣(チェロ violoncello) プロフィール

チェリスト懸田貴嗣のブログにおいていただき、ありがとうございます
バロックから古典派の音楽を中心に、日本とヨーロッパで活動しております。


懸田 貴嗣 KAKETA Takashi チェリスト、cellist プロフィール/Curriculum

ご質問・ご依頼等はこちら takashikaketa@gmail.com

福島県生まれ。上智大学文学部ドイツ文学科卒業。
東京芸術大学音楽学部別科チェロ専攻修了後、東京芸術大学院音楽研究科修士課程古楽専攻修了。 
文化庁在外派遣研修員としてミラノ市立音楽院古楽科で学ぶ。
修士論文テーマは「C.P.E.バッハのチェロ協奏曲」(指導教官:久保田慶一教授)。

チェロをガエタノ・ナジッロ、鈴木秀美、藤森亮一、北本秀樹の各氏に師事。2004年イタリア・ボンポルティ国際古楽コンクール(審査委員長:グスタフ・レオンハルト)で、4人のトリオ・ソナタ・グループ「リクレアツィオン・ダルカディア」のメンバーとして、第1位と聴衆賞、及びORF(オーストリア国営放送)録音賞を受賞。本選の模様はイタリアとORFラジオで放送された。

日本では、バッハ・コレギウム・ジャパン(鈴木雅明指揮)、オーケストラ・リベラ・クラシカ(鈴木秀美指揮)、レ・ボレアード(寺神戸亮指揮)、東京バッハ・モーツァルト・オーケストラ(有田正広指揮)、ヘンデル・フェスティバル・ジャパン、札幌古楽の夏音楽祭、福岡古楽祭など国内の主要な古楽オーケストラ、音楽祭のコンサート、レコーディングに参加。

2005年以降ヨーロッパでも活動を始め、ラ・ヴェネシアーナ(クラウディオ・カヴィーナ指揮)、イル・コンプレッソ・バロッコ(アラン・カーティス指揮)、種々のアンサンブル・メンバーとして、イタリア、イギリス、ドイツ、フランス、スペイン、オーストリア、ポルトガル、ポーランド、スロヴェニア、ルーマニア、トルコ、メキシコ、韓国など世界中の音楽祭に招かれているほか、ヨーロッパ各地で演奏活動を行っている。2008年オーストリア放送(ORF)ラジオ生放送に出演。

これまで出演した世界の主要なホール、劇場、音楽祭:
アムステルダム・コンセルトヘボウ、ウィーン・アン・デア・ウィーン劇場、マドリード・レアル劇場、パリ・シャンゼリゼ劇場、パリ・シテドラムジーク、ドイツ・レーゲンスブルク音楽祭、ハレ・ヘンデル音楽祭、オーストリア・グラーツ・シュティリアルテ音楽祭、オーストリア・メルク古楽音楽祭、ザンクト・フローリアン修道院、スイス・ザンクト・ガレン、フリブール宗教音楽祭、ロンドン・ルフトハンザ音楽祭、イタリア・ヴィテルボ音楽祭、メキシコ・セルバンテス音楽祭、トルコ・イスタンブール、ルーマニア・エネスコ音楽祭、ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン、韓国春川古楽祭など

これまで通奏低音奏者として、モーツァルト「コシ・ファン・トゥッテ」(ルイゾッティ指揮、サントリーホール・オペラ)、ハイドン「騎士オルランド」、モーツァルト「フィガロの結婚」(寺神戸亮指揮北とぴあ音楽祭)、パーセル「妖精の女王」(北とぴあ音楽祭)、シャルパンティエ「病は気から」(北とぴあ音楽祭)、ラモー「プラテー」、ヘンデルの「アルチーナ」、「タメルラーノ」、「エイシスとガラテア」、「復活」、「ヘラクレスの選択」、「ヘラクレス」、「サウル」、「アレクサンダーの饗宴」、「イェフタ」、「ベレニーチェ」、「アリオダンテ」、「アグリッピーナ」、「メサイア」、バッハによる「マタイ受難曲」、「ヨハネ受難曲」、「ミサ曲ロ短調」、「クリスマス・オラトリオ」、カンタータなど数多くの作品に関わった。特にモンテヴェルディ作品で世界的に評価の高いイタリアのグループ「ラ・ヴェネシアーナ」とのモンテヴェルディ「オルフェオ」、「ポッペアの戴冠」、「ウリッセの帰還」、「聖母マリアの夕べの祈り」、A.スカルラッティ、ストラデッラによる数々のオラトリオ、セレナータ、カンタータのヨーロッパ各地の上演では高い評価を得ている。これまで関わったCD録音はEMI/Virgin、ORF、Glossa、BIS、 TDK CORE(現Creative Core)、DENON、コジマ録音、マイスター・レコードなど多くのレーベルに渡る。

エンリコ・オノフリ、エンリコ・ガッティ、サイモン・スタンディジ、グナール・レツボール、ガエタノ・ナジッロ、アレッサンドロ・パルメリ、バーバラ・ヘンドリクス、エマ・カークビー、ロベルタ・マメリなど海外の著名な演奏家との共演も数多い。

2011年8月NHK-FM名曲リサイタルに出演。2011年10月のエンリコ・オノフリ with チパンゴ・コンソート(室内楽&オーケストラ)の2公演では大反響を呼び、CDジャーナル、モーストリー・クラシック、音楽の友、などの音楽関係各誌上において年間ベスト10やベスト5のコンサートとして選出されるなどした。2013年3月のエンリコ・オノフリ with チパンゴ・コンソートは、NHK-BS「クラシック倶楽部」、NHK-FMで放送され、大きな反響を得た。

主な放送出演など:
2004年 ボンポルティ国際古楽コンクール本選放送(イタリア、オーストリアORF)
2009年 NHK-BS「クラシック倶楽部」アンサンブル・ジェネシス「光と影」
2011年 NHK-FM「名曲リサイタル」リクレアツィオン・ダルカディア
2013年 NHK-BS「クラシック倶楽部」、NHK-FM エンリコ・オノフリ with チパンゴ・コンソート
2013年 NHK Eテレ「らららクラシック」”G線上のアリア”
2014年 NHK-FM「ベストオブクラシック」アンサンブル・ジェネシス/ヴェネツィアの歌う庭~ヴィヴァルディ・細川俊夫の世界~
2015年 NHK Eテレ「ニューイヤーオペラコンサート」 バッハ・コレギウム・ジャパン
2015年 NHK-BS「クラシック倶楽部」、NHK-FM「ベストオブクラシック」ロベルタ・マメリ&ラ・ヴェネシアーナ
2015年 NHK Eテレ「バッハ/ミサ曲ロ短調」 バッハ・コレギウム・ジャパン

その他 ヨーロッパのラ・ヴェネシアーナ公演の公演収録、中継多数

 2012年9月に「ランゼッティ/チェロ・ソナタ集」(ALCD-1131)をリリース、音楽の友、CDジャーナル等音楽誌上で話題となり、高い評価を受けた。当ディスクは平成24年度(第67回)文化庁芸術祭レコード部門優秀賞を受賞。
 2014年2月に発売された「ステッファーニ/2声のための室内カンタータ集」(ALM-1143)はレコード芸術特選盤となり、「さらに通奏低音の見事さも特筆しておきたい。なかでも懸田貴嗣のチェロが、声を伸びやかに聞かせ、支え、音楽を膨らませる」(レコ芸・美山良夫)、「器楽では特に、チェロの懸田貴嗣の奥行きある好演が光っている(ぶらあぼ・寺西肇)と高い評価を受けた。

主なディスコグラフィー:
2005年 ボッケリーニ 弦楽五重奏曲集 ARTE DELL'ARCO JAPAN

2009年 La Meraviglia Parlante テアトルム・アフェクトゥム

2012年 ランゼッティ/チェロ・ソナタ集 懸田貴嗣/渡邊孝 コジマ録音 ALCD-1131 
2013年 ジャン=マリー・ルクレールの肖像 リクレアツィオン・ダルカディア コジマ録音 ALCD-1134
2014年 ステッファーニ/2声のための室内カンタータ集 阿部早希子/ファンタジアス コジマ録音 ALM-1143
2014年 チャッコーナ マイスター・ミュージック 宮崎蓉子/懸田貴嗣ほか
2015年 波多野睦美/イタリア歌曲集 波多野睦美/西山まりえ/懸田貴嗣ほか ソネットレーベル MHS-004
2015年 バルダッサーレ・ガルッピ:6つのトリオ・ソナタ [ウプサラ大学図書館イーム・コレクションによる] リクレアツィオン・ダルカディア コジマ録音 ALCD-1155

その他、ラ・ヴェネシアーナ、バッハ・コレギウム・ジャパン、オーケストラ・リベラ・クラシカ等グループのメンバーとして多数のCDに参加。

バロック・チェロの歴史とレパートリーについて研究を進めており、ワークショップやレクチャーも行っている。
2014年2月の上野学園古楽器コレクション Museumコンサートでは、バロック期チェロの初期レパートリーから後期までの作品をプログラミング、解説とともに演奏を行い、各方面から高い評価を受けた。2015年にはNOTH主催の講座で「チェロの歴史」、2016年には日本チェンバロ協会例会でコレッリのソナタをテーマに通奏低音の講座を担当した。

インタビュー等:
2013年4月 クラシック・ニュース http://classicnews.jp/interview/index825.html
2013年10月 林田直樹「カフェ・フィガロ」http://www.blue-radio.com/program/cafe/
2014年10月 ラ・ヴェネシアーナ日本ツアープログラム誌掲載・インタビュー

文章執筆・発表など:
2004年 アントレ誌 ボンポルティ国際コンクール報告記
2011年 アントレ誌 エッセイ
2012年 CDジャーナル誌10月号「秋の夜長のバロック・チェロ」
2015年 横浜シンフォニエッタ定期公演プログラム解説(ショスタコーヴィチ)
2015年 東京・春・音楽祭 公式プログラム 「チェロの誕生」
2016年 CDブックレット 日本語解説 B.コクセ「チェロの歴史 さまざまに」 Alpha


これまで雑誌、プログラムに発表した文章はこちらのリンクまで。 https://note.mu/takashikaketa

ラ・ヴェネシアーナ(イタリア)、リクレアツィオン・ダルカディア、バッハ・コレギウム・ジャパン、オーケストラ・リベラ・クラシカ、チパンゴ・コンソート、アンサンブル・ジェネシス、横浜シンフォニエッタ、テアトゥルム・アフェクトゥム(ドイツ)のメンバー。イタリア・ミラノと東京を拠点に活動している。日本イタリア古楽協会運営委員。

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(2016.3.28)
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# by takashikaketa | 2014-08-30 21:27 | Curriculum プロフィール | Comments(1)

「林田直樹のカフェフィガロ」出演

ブルーレディオドットコム「林田直樹のカフェフィガロ」に出演します。
http://www.blue-radio.com/program/cafe/

「バロック・チェロと普通のチェロは何が違うのか(ガット弦だけではありません。構え方弾き方も微妙に違います)、バロック時代の通奏低音の楽器としては、ヴィオラ・ダ・ガンバとバロック・チェロは何が違うのか、そもそも通奏低音を演奏するとはどういうことなのか。
そんな基本的 なところに立ち返って、一から懸田さんに教えていただきました。ラ・ヴェネシアーナやリクレアツィオン・ダルカディア、バッハ・コレギウム・ジャパン、 オーケストラ・リベラ・クラシカ、チパンゴ・コンソート、レ・ボレアドなど、名だたる演奏団体で欠かせないバロック・チェロ奏者の懸田さんによる、実践的 な立場からのバロックについてのお話し、すごく楽しかったです。」 林田直樹さん「Linden日記」より

放送は、10月6日、13日日曜日の18時更新です。どうぞお楽しみください。
http://www.blue-radio.com/program/cafe/

放送でもお伝えしたものもありますが、秋~冬のコンサートのお知らせもご覧ください。

10月11日(金) 14時開演(平日ですが昼公演です) 東京オペラシティ 近江楽堂
チパンゴ・コンソート コレッリ/ヴァイオリン・ソナタ作品5全曲チクルスI
杉田せつ子(ヴァイオリン)、懸田貴嗣(チェロ)、桒形亜樹子(チェンバロ)
お問合せ 080-3087-1805
http://homepage3.nifty.com/setsukosugita/pg10.html
※12月16日にチクルス第2回があいます。(杉田せつ子、懸田貴嗣、西山まりえ、桒形亜樹子)

11月1日(金) 19時開演 東京オペラシティ 近江楽堂
ダルシット・ノーツ vol.3 広瀬奈緒 ソプラノ・コンサート
バッハ カンタータ61番、202番より
ヘンデル アレクサンダーの饗宴 「優しく甘いリディアの調べが」
ヴィヴァルディ カンタータ「そよ風よ、お前はもはや」

広瀬奈緒(ソプラノ)、懸田貴嗣(チェロ)、渡邊孝(チェンバロ)
http://www010.upp.so-net.ne.jp/ki-no-utsuwa/concert/dulcetnotes3.html

11月5日(火) 19時開演 東京オペラシティ 近江楽堂
リクレアツィオン・ダルカディア ”未知のヴィルトゥオーゾ ヘンリクス・アルビカストロ”

アルビカストロ トリオ・ソナタ 作品8より
コレッリ トリオ・ソナタ 遺作 より

松永綾子、山口幸恵(ヴァイオリン)、懸田貴嗣(チェロ)、渡邊孝(チェンバロ)
http://concertinformation.blog.so-net.ne.jp/upload/detail/m_1105web.jpg.html


その他、
10月19日(土)上野学園 オーケストラ・リベラ・クラシカ http://olc.hidemisuzuki.com/
10月26日(土)神奈川県立音楽堂 渡邊順生/ザ・バロックバンドでブランデンブルク協奏曲全曲
http://arches-special.blog.so-net.ne.jp/2013-07-13-1

などあります。
みなさまのご来場お待ちしております。
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# by takashikaketa | 2013-10-04 11:08 | Musica 音楽 | Comments(0)

2月5日CDリリース記念コンサート(リクレアツィオン・ダルカディア)

「ルクレール/トリオ・ソナタ集」CDリリース記念 & コレッリ没後300年記念

2013年2月5日(火)19時開演
東京オペラシティ3F・近江楽堂


アンサンブル・リクレアツィオン・ダルカディア Ensemble Ricreation d'Arcadia
(松永綾子、山口幸恵、懸田貴嗣、渡邊孝)

2004年にイタリアのボンポルティ国際コンクール優勝から早9年、それから多くのヨーロッパでの公演を重ねてまいりました。昨年は渡邊が「ゴルトベルク変奏曲」(レコード芸術誌特選)、懸田/渡邊の「ランゼッティ/チェロ・ソナタ集」(文化庁芸術祭優秀賞)などソロ作品のリリースを行いましたが、ようやく満を持してアンサンブルでも国内でのCDリリースをいたします。
(会場では先行発売いたします。本リリースは3/7です。)
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そのリリース記念を祝して、
CDのテーマとなった「ルクレール」、
今年没後300年を迎えるローマ・バロックの巨匠「コレッリ」、
2人のフランスとイタリアのバロックを代表する作曲家を取り上げたコンサートをいたします。

チケットはtakashikaketa@gmail.comにメッセージいただければご用意いたします
みなさまのご来場、お待ち申し上げております。
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コレッリ vs ルクレール 
~二人のヴァイオリンの名手を讃えて~

J-M.ルクレール
序曲 第2番 ニ長調 序曲とソナタ集 作品13(1753)
優しい音楽の気晴らし 第1集 作品6 (1736)

A.コレッリ
トリオ・ソナタ op.4-6
トリオ・ソナタ op.4-8
トリオ・ソナタ op.4-10
チャッコーナ op.2-12

B.パスクイーニ
ベルガマスカ

Jean-Marie Leclair (1697-1764)
Ouvertura II en Re majeur
[3] Ouvertures et [3] sonates en trio, op.13 (1753)
Premier Recreation en Re majeur
Première recréation de musique d’une exécution facile, Op. 6 (1736)

Arcangelo Corelli (1653-1713)
Sonata Sesta in Mi maggiore, op. 4-6
Sonata Ottava in re minore, op. 4-8
Sonata Decima in Sol maggiore, op. 4-10
Ciaccona in Sol maggiore, op. 2-12

Bernardo Pasquini (1637-1710)
Bergamasca [S.B.P.K. Landsberg 215]

全席自由 4000円
ご予約・お問合せ:オフィスアルシュ03-3565-6771
チケット取扱い:東京オペラシティチケットセンター03-5353-9999 他
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# by takashikaketa | 2013-01-25 10:30 | Comments(0)

文化庁芸術祭レコード部門優秀賞受賞

2012年9月にリリースされた
「ランゼッティ/チェロ・ソナタ集」(ALCD-1131, ALM RECORDS)が
平成24年度(第67回)文化庁芸術祭レコード部門優秀賞 をいただきました。


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文化庁の発表ページ
http://www.bunka.go.jp/ima/press_release/pdf/media_geijutsusai_121221.pdf

受賞理由:
サルヴァトーレ・ランゼッティはチェロのヴィルトゥオーゾとして国際的に名声を博した最初の人物とされるが、現在その作品は広く知られてはいない。本ディスクは、単に知られざる作品を発掘した(6曲中4曲が世界初録音という)だけにとどまらず、それらに秘められた極めて個性的な魅力を遺憾なく引き出した点が評価された。懸田貴嗣の卓抜した楽曲解釈と、渡邊孝の独創的な共演が相互に高め合って、エキサイティングな音楽作りが実現している。

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初めてのソロ録音がこのような賞をいただけるのは本当に嬉しい限りです。
共演の渡邊氏、録音を実現してくださったコジマ録音さん、その他沢山のお世話になった方々にはこの場を借りて感謝の意を表したいと思います。ありがとうございました。
作品に秘められた「極めて個性的な魅力」というのはまさにそのとおり、しかし「遺憾なく引き出」せたかどうかは自分ではいろいろと思うことがありますが、ともかくもランゼッティという音楽の魅力が少しでも多くの人に伝わることを願っています。録音からリリースにいたる過程での精神的なダメージ(笑)にここしばらく次に録音することは全く考えられませんでしたが、賞をいただいたことによって、私のようなものでも人が録音しないような良い音楽があれば、また録音してもいいのかな、と少しだけ勇気を与えられたような気分です。(皆様のご支援や支持があればそれも実現可能性があります!)

私の演奏の善し悪しはともかく!この録音が、ランゼッティのソナタをもっと聴きたい、弾いてみたい、もしくは他のバロック期のチェロ・ソナタにはどんなものがあるのだろう?ぜひ聴いてみたいというような、皆さんの音楽人生が少しでも豊かになるような一つのきっかけになることを切に願ってやみません。バロック音楽は、バッハやヴィヴァルディだけではありません、チェロのためのソナタはベートーヴェンとブラームスだけではないのです(もちろんそれらは本当に素晴らしい傑作達ですが!)。

あまりにマニアックな、、、と一蹴せず(←ここ大事なところ)、今後もコンサート、録音、様々な機会にぜひ触れていただけたらと思っています。私も少しでも皆さんに楽しんでいただけるよう、引き続き精進したいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

まだCDをお持ちでないかたはぜひコチラを!
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# by takashikaketa | 2012-12-22 22:58 | Musica 音楽 | Comments(0)

ランゼッティ チェロ・ソナタ集CD発売記念連載 第5回

ランゼッティ チェロ・ソナタ集CD発売記念連載 
第4回 ランゼッティ チェロ・ソナタ作品1の聴きどころ(5)

CDジャーナル ニュース
http://www.cdjournal.com/main/news/kaketa-takashi/46889

Yahoo ニュース
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120903-00000019-cdj-musi

Amazonでの注文ページは こちら

これまでの連載はこちら。
ランゼッティ チェロ・ソナタ集CD発売記念連載 第1回
ランゼッティ チェロ・ソナタ集CD発売記念連載 第2回
ランゼッティ チェロ・ソナタ集CD発売記念連載 第3回
ランゼッティ チェロ・ソナタ集CD発売記念連載 第4回

CLASSICAサイトの飯尾さんがランゼッティについてブログ記事を書いてくださっています。
http://www.classicajapan.com/wn/2012/09/281145.html


さて、マイペースで書いてきた連載も5回目、そろそろネタも少なくなって来ました。
とりあえずは、最後の6番のソナタについて、書いてみましょう。

前半6曲の最後を飾るソナタ6番は変ロ長調。変ロ長調のチェロの曲と言えば、ボッケリーニのチェロコンチェルトが有名ですが、チェリストにとって決して弾きやすい調性ではありません。ヴィヴァルディの9つのソナタにはなぜか3つもの変ロ長調の作品が含まれており、それも一つの疑問点(Vero e falso 真作と偽作と題する論文集 Eleanor Selfride-Field"Vivaldi's celo sonatas")となっていますが、ランゼッティの場合は、ソナタ集全体の調性バランスの中で、変ロ長調のキャラクターを持つ作品を必要としたから、ということではないかと単純に推測します。
5番がシリアスな性格をもっていたのに対して、6番の1楽章は非常にユーモラスな作品です。テーマがforteとpianoで2回繰り返された後、突然トリルを含むおかしなアルペジオのゼクエンツがしつこく続いた後、いきなりのpiano、等々と少々ボケ倒しているかの如き展開。後半は平和にヘ長調、とおもいきやすぐにト短調へ、、、という気まぐれにもほどがあるだろう、ということばかり。ナポリ人、かく語りき?
2楽章は少々特別な楽章です。この楽章は2つの部分に分類され、レチタティーヴォ風の部分、そして通奏低音がずっと16分音符で半音階下降のラメントバスを刻む部分。ナポリの和音も印象的なレチタティーヴォ部分は、12曲のソナタの中でも特別な雰囲気、質を持っていると思います。最後のラメントの部分は録音でドツボにはまってしまった部分で、思い出すだけでも背筋が寒くなります笑。しかし、この2楽章はバロック時代のチェロ・ソナタLargo楽章の中でも名作ではないでしょうか。
3楽章は変奏曲。作品1の中で変奏曲を用いているのはこの曲だけ、6つの変奏から成っています。のんびりムードのテーマですが、Gavotta, Allegro ma non prestoという表記がついています。最後の忙しい変奏のことを考慮すると、最初のテーマはあまり早くできないのが悩みどころでしたが、ランゼッティはきっとこのヴァリエーションをスリリングに、そして見事に弾き切ったのではないかと想像します。活発な第4変奏の10度跳躍の連続、そのあとに来る穏やかな変奏への流れ、そしてラストの盛り上がりは前半6曲の最後に相応しい幕切れ、なのでしょうか。

ところで、ミシェル・コレットがチェロ・メソード(1741)の中で、ランゼッティは特にスラースタッカートの技術に優れていた、と記述していますが、作品1の中でそれに該当するような記譜部分は存在しません。しかし、特筆に値するほどのインパクトを与えたところを見ると、彼の運弓のテクニックも素晴らしいものだったことが分かると同時に、楽譜に書いてあること以上にヴィルトゥオーゾで即興的なアイディアを演奏に盛り込んでいたのだろう、と、当時の聴衆が羨ましく思えるのです。

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これはランゼッティによる Principes ou l'application de violoncelle par tous les tonsの一部分。教則本的な作品ですが、彼の運指メソードが分かり、非常に興味深いものです。0は親指。
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# by takashikaketa | 2012-09-30 22:28 | Musica 音楽 | Comments(0)

「ランゼッティ/チェロ・ソナタ集」ディスク批評

いくつかの音楽誌でCD評が掲載されました。徐々にブログでも紹介していきたいと思います。

音楽の友10月号
今月の注目盤 (諸石幸生氏)

サルヴァトーレ・ランゼッティ(1710?~1780)という18世紀イタリアのチェリストの手になる「チェロ・ソナタ集」(Ko-ALCD1131)が録音された。1736年に出版された作品1からの抜粋で、全部で6曲が演奏されているが、エチュード的な印象は皆無で、チェロの魅力がよく引き出された歌にあふれた作品の素晴らしさに心奪われる。演奏しているのは懸田貴嗣である。近年評価を高めている古楽チェロ奏者だが、しなやかに歌うカンタービレ、考え抜かれた様式感、そして香しい音色が織り成す世界は、まさに心の贅沢に浸らせる。

ぶらあぼ10月号
新譜ピックアップ
18世紀には”振興楽器”だったチェロの最初期のヴィルトゥオーゾ、ナポリ出身のサルヴァトーレ・ランゼッティ(1710頃~1780)が1736年に出版した、ソナタ集からの6曲。第1音から、その艶めかしさに驚かされる。だが、高度な技術のみならず、奏者にとっては、突然の楽想やダイナミクスの転換など、音楽解釈上の問題も山積。懸田はそれらに一つひとつ対峙し、チェンバロの渡邊と共に、丁寧に解いていく。その結果、謎多きヴィルトゥオーゾの実像に迫る、魅力的な録音に仕上がった。知られざる佳品に秀演で触れるにとどまらず、18世紀の音楽自体への先入観を覆す体験になるかも。(寺西肇)

Amazonでの注文ページは コチラ

予想以上に反響あり、嬉しい限りです。ぜひ多くの方に聴いていただきたいと思っています。
今週末のブログ更新に向けて、ネタを考え中・・・・

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18世紀半ばトリノ宮廷劇場の様子(一部)。1752年前後とも言われていますが、だとするとランゼッティはロンドンからまだ帰ってきていないのか。しかし、彼はこの絵は見ているかもしれませんね。
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# by takashikaketa | 2012-09-25 00:08 | Musica 音楽 | Comments(0)

ランゼッティ チェロ・ソナタ集CD発売記念連載 第4回

ランゼッティ チェロ・ソナタ集CD発売記念連載 
第4回 ランゼッティ チェロ・ソナタ作品1の聴きどころ(4)

CDジャーナル ニュース
http://www.cdjournal.com/main/news/kaketa-takashi/46889

Yahoo ニュース
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120903-00000019-cdj-musi

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これまでの連載はこちら。
ランゼッティ チェロ・ソナタ集CD発売記念連載 第1回
ランゼッティ チェロ・ソナタ集CD発売記念連載 第2回
ランゼッティ チェロ・ソナタ集CD発売記念連載 第3回

各音楽雑誌のレビューも出揃いつつあり、少しほっとしています。
レビューとは別に、CDジャーナル10月号では、秋の夜長のバロック・チェロ、という題で簡単なチェロの発展史に加えて、お薦めのバロック・チェロCDを紹介する雑文を書いています。ぜひ御覧ください。66頁です。

さて、前回予告してしまったので、3番、1番、6番のソナタについて書かなければなりませんね。

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これは未出版のランゼッティ作品の筆写譜表紙。元々のつづりであるLancettiとなっています。

3番ニ長調の1楽章はAdagio cantabile。ゆったりとした旋律が流れる中、ロンバルディックなリズム(短長)がフォルテで突然出てきたり、流れを中断するフェルマータがあったり、、、と実は様々な変化の多い楽章。以前実演したときはかなり装飾を付けたのですが、録音では控え目に、できるだけ元々ある装飾的なラインを生かして弾いています。2楽章は4拍子のAllegro。度々出てくるフォルテの同音反復パッセージが少々可笑しいですが、途中でニ短調になる部分は、増2度や毎小節のアポジャトゥーラがなんとも言えない憂いをもっていて、好きなところ。チェロとチェンバロは一生懸命連打してます笑。 3楽章のMenuet Allegroは渡邊氏のアイディアでチェンバロの4フィートを使用。チェロはずっと中音域にいるのですが、かわいらしいメヌエットになっているでしょうか?3番はニ長調という調のせいもあってか、他のソナタに比べると素直な音楽で明快。はじめてランゼッティのソナタを弾くときはこの曲をお薦めします。

1番のト長調はAllegro-Adagio-Rondeau Allegro。録音の1曲めはこのソナタだったのですが、編集段階で意外に苦労したのもこの曲。親しみやすく軽い語りかけで始まり、半音階の下降が少々のアクセントとなったり、明快なゼクエンツとともに展開する1楽章。2楽章はあまりにシンプルなメロディー(例えば、冒頭のシードシドシ~)のため、どう演奏すべきか悩みましたが、少々の装飾なども加えてAdagioの雰囲気が出たのではと思います。でも、このテーマはちょっとシンプルすぎるよな・・・ 3楽章は弾く度に好きになっていったRondeau。実は作品1の最後を飾る12番の最終楽章もRondeauなのですが、私にはこの2つが作品1の両端で呼応しているように思えてなりません。人懐こいロンドー主題、昔を懐かしむような反復。

とここまで書いたところで、あまり長くならないようにとお達しもあったので、今日はここまでにします。
最後の6番についてはまた次回、もしくは次々回?
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# by takashikaketa | 2012-09-22 02:11 | Musica 音楽 | Comments(0)

ランゼッティ チェロ・ソナタ集CD発売記念連載 第3回

ランゼッティ チェロ・ソナタ集CD発売記念連載 第3回 ランゼッティ チェロ・ソナタ作品1の聴きどころ(3)番外編

CDジャーナル ニュース
http://www.cdjournal.com/main/news/kaketa-takashi/46889

Yahoo ニュース
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120903-00000019-cdj-musi

Amazonでの注文ページは こちら

さて。本当は毎週金曜日のブログを更新することを自分に課しているわけですが、一日遅れてしまいました。ここ数日間はアルディッティSQ・アルディッティ氏ご子息のカウンターテナー、ジェイクとのコンサート、その後福岡の古楽祭などあり、バタバタとさきほど帰宅したところ・・・・

これまでの連載はこちら。
ランゼッティ チェロ・ソナタ集CD発売記念連載 第1回

ランゼッティ チェロ・ソナタ集CD発売記念連載 第2回

というわけで、頭も働かないし、これまでの連載は少々堅い話が続いたので、今回は難しい話は無しにしましょう、と勝手に決めてしまいました。

この「ランゼッティ/チェロ・ソナタ集」の演奏は、私とチェンバロの渡邊孝氏によるものですが、彼とはかれこれ10年以上の付き合いになります。皆さんもおそらくは御存知のアンサンブル「リクレアツィオン・ダルカディア」の、またはヨーロッパでのグループでの同僚としても長らく演奏活動を一緒にしているわけですが、偶然にも名前が同じ「タカシ」、ということで、様々なエピソードがありました。

たとえば、ドイツの教会でのコンサート後、つかつかと歩み寄ってきた年配の男性。
「ねぇねぇ、きみとチェンバロの彼は名前が一緒だけど、兄弟かなにか?」 (姓が一緒ではありません!)
というのは、まぁ笑えるほうで、

イタリアのある主催者はプログラムに、
「チェロ カケタ・ワタナベ、チェンバロ タカシ・ワタナベ」
と書いてしまった。(イタリアのコンサートの後にそのままポーランドでのコンサートがあったので、飛行機予約の名前も間違っていないか冷や汗ものだった。)
主催者曰く、「どっちかの部分が一緒だってことは覚えてたんだけどね~」とアバウトな様子・・・。

また、あるオーケストラのツアーでは、グループが昼と夜の2つの便に分かれて、ローマからウィーンへ移動することになっていた。私と渡邊氏は別々の便にグループ分けされていたので(プリントには、それぞれタカシ、としか書いていなかったが、私は早い便、渡邊氏は遅い便、と二人共信じて疑わなかったのだ。)早い便に乗るつもりで空港にグループで到着した私はチェックインする段階になって、ビックリ。リストにあるのはタカシはタカシでもワタナベの方。困ったことに後からくる渡邊氏は、意図せずして早い便を乗り過ごしたことになり、チケットがない。私は6時間くらい待てば済む話だが(とは言ってもこの待ち時間は長かった!)、彼はもし次の便の予約が取れないとなると一人取り残され、次の日のコンサートに間に合わない可能性もある。最終的にはなんとかチケットが買えて、無事ウィーンに辿り着いたのであったが、これは一つ間違えば、大きなロスになったエピソード。

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とそんな幾多の困難?を乗り越えて、レコーディングしたのが今回のランゼッティなのでありました。

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これはレコーディング時の様子。

そして、なんと今回のディスクにはもう一つの大きな偶然が。
解説を書いて下さった、音楽学者山田氏もなんと高誌(タカシ)氏なのです。
もちろん名前で選んだわけではなく、彼はナポリ音楽に関して専門家でありますから是非に、とお願いした次第。
3人のタカシが作ったランゼッティ、と、そんなことを知ったところで楽しみが増えるわけではありませんが(笑)、そんなエピソードも交えつつ。

次回こそは、後半3曲、3番、1番、6番のことを書こうと思います。
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# by takashikaketa | 2012-09-16 00:56 | Musica 音楽 | Comments(0)

ランゼッティ チェロ・ソナタ集CD発売記念連載 第2回

ランゼッティ チェロ・ソナタ集CD発売記念連載 第2回 ランゼッティ チェロ・ソナタ作品1の聴きどころ(1)

CDジャーナル ニュース
http://www.cdjournal.com/main/news/kaketa-takashi/46889

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http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120903-00000019-cdj-musi


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もうすでにお手元にCDが届いている方もいらっしゃるかと思います。お買い上げありがとうございます。まだ聴いていらっしゃらない方にネタばらししてしまうのもどうかと思いますが、できるだけ多くの方に楽しんでいただけるよう少々コメントを加えていこうと思います。

まずCDの曲順ですが、番号順ではありません。5番に始まり、2番、4番、1番、3番、6番の順ですね。5,2,4,1,3,6。5,4,3と、2,1,6の数列を交互に組み合わせた深い意味は、、、というのは冗談で、当然調性と全体の流れを考えて、できるだけ単調にならないように、と考えたものです。特に5番以外全て長調ということで、実はとても並べにくく、苦心しました。(とは言っても組み合わせは限られているのですが)

まず、この作品1の12曲全体を眺めてみましょう。調性は順に G - A - D - C - a - B - G - e - a - fis - F - D (大文字は長調、小文字は短調)となっています。今回の録音には含まれていない後半6曲には短調が3曲もあり、前半とは対照的ですね。しかもラの開放弦を使えるとは言っても、9番の嬰ヘ短調は非常に珍しい。とは言っても同じくナポリの作曲家レオナルド・レオのチェロ・コンチェルトヘ短調(ランゼッティ作品1の出版とほぼ同時期に作曲)があって、それよりはまだこちらのほうが弾きやすい。

12曲を通すと、後半に行くに従って難易度が高くなるよう並べられているのが分かります。4番までは開放弦の1オクターブ上a'までの音域で収まっていますが、5番1楽章からその3度上のcまで拡大し、2楽章では作品1のほぼ最高音a"まで到達します。(作品1の最高音は9番の2楽章のh")詳細に吟味したわけではありませんが、a"までのパッセージは当時としては異例であり、まるでパガニーニを初めて聴いた時のように、人々は目を丸くして驚いていたのではないか。しかも12番では左手親指を使った(と思われる)a'より高い音域でのパッセージが連続しているので、そのブリリアントな響きはかなり衝撃的だったのではないかと想像します。作品1より後のランゼッティによる他作品を見ても、音域についてはそれ以上高くなることはありませんし、フィンガリングも含めて、ハイポジションのテクニックという意味では、既に完成していたのではないでしょうか。あまり専門的なことばかり言うのもなんですが、特に親指ポジション、そしてそのポジションでの左手小指の多用(パッセージから見て、そうとしか私には思えない)は、後世代を先取りしているものです。こうしたハイポジションでのテクニックは、ランゼッティが学んだ可能性もあるシプリアーニの作品や前世代には見られないものです。

では、収録曲順に、簡単にそれぞれの曲にコメントしてみましょう。

5番は6曲中で唯一の短調ということもありますが、非常に強いキャラクターを持っていて、ランゼッティのヴィルトゥオーゾとしての面目躍如的な曲でもあるかと思います。これは個人的な意見ですが、作品1の12曲はテクニック的な面や音楽の成熟度から考えて、1~4番、5~9番、10~12番という3つのカテゴリに分けることができるのではないかと思います。5番は、一つ成熟の階段を登った最初のソナタということです。1楽章はAdagio cantabile、途中繰り返される器楽的なパッセージのパターンは、ナポリの作曲家フィオレンツァの独奏チェロ(と2つのヴァイオリン、通奏低音)のためのシンフォニア(1728)でもよく似たものが見られます。果たして定形的なイディオムなのだろうか?

fiorenzaの該当部分
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1~4番までは限定的だったダブルストップ(重音)ですが、5,6,7度の連続などが増えてきます(弾き易くはない)。2楽章は4拍子のAllegro、速いパッセージの中で2オクターブ近い跳躍があったり、非常に名手的なアピールに富む楽章。時折出てくる歌謡的な部分でほっとします。後半ではついに最高音a"が登場。ここでもダブルストップが頻繁に活用されており、重音がもはや特別なテクニックではなくなっている感があります。3楽章は3/8のandanteメヌエットですが、中間部で3/4、長調に変わり、軽さの中にダブルストップやハイポジションなどが盛り込まれています。

続く2番はイ長調、Andante cantabile - Allegro - Menuet Cantabile。イ長調らしい柔和なカンタービレの中でシンコペーションが印象に残る1楽章、そしてカノン風に始まる2楽章は決断に迷う主人公が悩める心境をこまごまと歌うアリアのよう。3楽章は、イ短調~ハ長調と長めの中間部をもつメヌエット・カンタービレ。1楽章はよいとしても元来ダンスであるメヌエットにカンタービレとついているのは興味深いですね。このソナタは、オペラの器楽版超短縮ダイジェストのようなものかもしれません。

4番はハ長調、Adagio cantabile(やはりcantabile)- Allegro - Allegro、堂々たる長い前奏(楽譜を見るとチェロによる通奏低音を想定しているのでしょう)を持つ1楽章、オペラの主役カストラートがメッサ・ディ・ヴォーチェで登場する場面のようです。2拍子の快活な2楽章(結構好き)、3/4拍子の3楽章は途中ダブルストップで二声になる部分が愛らしい。このソナタは、作品1の中でももっともコンパクトにまとまったもので、楽章のキャラクターが非常に明快で、コンサートでも取り上げたい曲の1つです。

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と、これで収録したソナタの前半3曲なのですが、9つの楽章中4つにcantabileがついているという、、、。
どれだけcantabileしたいんだという、ナポリ人の業のようなものを強く感じます。
夜も更けてきたので、あとは次回、残す3曲について書こうと思います。
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# by takashikaketa | 2012-09-08 02:35 | Musica 音楽 | Comments(0)

ランゼッティ チェロ・ソナタ集CD発売記念連載 第1回

ランゼッティ チェロ・ソナタ集CD発売記念連載 第1回 サルヴァトーレ・ランゼッティのこと

9月7日、私の初めてのソロCDである「ランゼッティ チェロ・ソナタ集」(ALCD-1131)がコジマ録音レーベルからリリースされます。

CDジャーナル ニュース
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CDリリースに合わせて、ランゼッティと今回の演奏についての覚書、CDについてブログを定期的に更新していきますので、ぜひご覧ください。

まず、初回はこのチェロ・ソナタの作曲者であるイタリア人サルヴァトーレ・ランゼッティ(c1710-1780)について書いていきましょう。音楽家の間でさえもランゼッティの名とその音楽を知っている人は、おそらくかなり少ないでしょう。バロック時代のチェロのための作品といえば、バッハの無伴奏組曲、ヴィヴァルディのソナタが一般にはメジャーでしょうか。しかし、サルヴァトーレ・ランゼッティは1680年代に始まった独奏旋律楽器としてのチェロの歴史の草創期において、非常に大きな役割を果たした存在だということができます。

チェロの発祥に関する歴史とその問題点については、またあらためて記事を書くつもりですが、おおまかにはこうです。ヴァイオリン属の低音楽器として作られたヴィオローネ(または様々な呼び名を持つ)が、弦の改良と小回りのきくような小型化の要求とともにほぼ現代のサイズまで小さくなっていったことで、ヴィオロンチェロ(小ヴィオローネの意)という名に変わっていきます。史料上初めて「ヴィオロンチェロ」という名が現れるのは、1665年ジューリオ・チェーザレ・アッレスティの作品においてです。ソロ楽器としてのチェロに作品が書かれたのは1680年代以降、ドメニコ・ガブリエッリ、ヤッキーニ、ボノンチーニというボローニャの音楽家達によってですから、ランゼッティは「チェロ」が独奏楽器として見なされるようになってから30年もたたないうちに生まれたということになります。

ランゼッティが生まれたナポリは、当時4つの音楽院を持ち、厳格な音楽教育を行うことでも既に有名になっていました。それらの音楽院は、有名なペルゴレージ、レオナルド・レオ、ニコラ・ポルポラなど多くの優秀な作曲家、そして演奏家を育てています。その中の一つ、サンタ・マリア・ディ・ロレート音楽院で教育を受けたランゼッティは、卒業後の1727年イタリア中部トスカーナのルッカという街の宮廷教会音楽家として雇われます。ルッカは1687年にジェミニアーニ、1743年にはボッケリーニ、19世紀にはプッチーニが生まれた街として有名です。ボッケリーニの父親レオポルドが生まれたのが1712年ですから、もしかしたら15歳のボッケリーニ父は20歳前後のランゼッティの演奏を聴いているかもしれません。

その後すぐにトリノ宮廷にヘッドハンティングされたところを見ると、20歳前後ですでにかなり抜きん出た音楽家として存在感を示していたのでしょう。トリノ宮廷に籍を置いたまま、彼はパリやロンドンなど北ヨーロッパを演奏旅行し、なんとロンドンにはそのまま1754年まで滞在することにしてしまいます。その間の1736年には、パリの有名なコンサートシリーズ「コンセール・スピリチュエル」で初めてのソロ・チェリストとして招聘され、1738年以降パリのチェロソナタ集の出版ブームに大きな影響を与えたと思われます。(ある社は、1750年までの間に26巻ものソナタ集を出版。1巻6曲と考えると156曲!)チャールズ・バーニーによると、ロンドンでのランゼッティは大成功を収め、ロンドンでのチェロ趣味というものを定着させるのに大いに貢献した、ということですから、まさに華々しいソリストキャリアを築いたのでしょう。

それ以前にも、ナポリからウィーンに渡ったフランチスチェッロ(フランチェスコ・アルボレア)のような伝説的な名人チェリスト(クヴァンツが「比類ない」と感動し、ベンダは「彼のチェロのようにヴァイオリンを弾きたい」と熱望した)やシプリアーニ(1678-1753)はいたものの、ランゼッティはフランス、ドイツ(記録では1751年フランクフルト・アム・マイン)、イギリスといった国際的な舞台で独奏チェロ分野への認知を確立させたという意味で、その役割は非常に重要であったということが言えます。

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パリでデビューした1736年にアムステルダムで12曲のソナタから成る作品1を、その後はロンドンとパリで作品集を出版しています。ロンドンで出版したソナタ 6 Solos after an Easy & Elegant Tasteや、パリで出版した作品5,6は技巧的にも成熟しますが、作品1で持っていたような荒削りの魅力には欠けるように思います。

長い不在の後、1760年代にトリノ宮廷の元のポストに戻ったということですから、彼がどれだけ職場で厚遇されていたのか推測できます。
ランゼッティの先進的な部分は、それまでに見られなかった名人技的なものを多く作品に盛り込んだことでしょうか。たとえば作品1のソナタ12番では、高音域で左手親指を使用したテクニックが頻繁に使われ、音域は開放弦の2オクターブ上のa"まで上がっていきます。重音の効果的な使用や、様々なボーイングのテクニックも画期的で、ランゼッティの特異性もさることながら、ナポリの音楽教育がいかにレベルの高いものであったかが想像できます。

より詳細で有益な情報については、音楽学者山田高誌氏によるCDブックレット解説がありますので、是非そちらもお読みすることもお薦めします。

次回記事では、今回録音した1~6番のソナタの聴きどころ、レコーディングの様子などご紹介したいと思っています。(次回更新は来週9/7(金)を予定しております。努力します。)
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# by takashikaketa | 2012-09-01 03:59 | Musica 音楽 | Comments(0)

チェリスト 懸田貴嗣の備忘録


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