古楽亭日乗

lanzetti.exblog.jp ブログトップ

ハプニング

先月末、楽器のケースをあけたら、コマがころころ、、、と落ちてきました。弦もばらばらばら、と4本揺れていました。アジャスターのネジもぼろぼろと落ちてきました。こ、こ、これは、と思ったら、テールピースをとめているテールガットが切れていたのです。
(弦楽器の仕組みを知らない人はなんだかわからないと思いますが、要するに壊れた。)

それは私の持つ2台の楽器のうちモダン楽器のほうで、その先日のリハ中にピシッと異音がしたとき、ピピピとスピリチュアルな波動を楽器から感じていたので、それほど驚きませんでした。本番中でなかったのが、なによりの幸いです。そう頻繁ではないですが、楽器にまつわるハプニングに遭遇することはそれほど驚くべきことではありません。
先日のガエタノとの演奏会ではチェンバロのつめが折れたために、後半の1曲目のあと10分ほど急遽中断。調律の佐藤さんは、こんなことは20年に一回くらいだ、と言ってました。去年のローマでのコンサート中は、ヴァイオリンの弦が切れました。(ガット弦は切れやすいと言いますが、本番中切れることはそうありません。)
なぜかそういうときは客席から拍手が起こります。

本番中のハプニングは予測できないものですが、去年の夏に驚くべき事態に遭遇してしまったことがありました。(某所ではすでに書いたことですが)

8月後半に10日間ほど、中部ドイツ(テューリンゲン地方)を1人のドイツ人(リコーダー奏者)と3人の日本人(ヴァイオリン、チェロ、チェンバロ)でコンサートをして周るプロジェクトがありました。ヴァイオリンの松永綾子氏は、ヴィオラを持って、まずイタリアでの仕事を終えてからドイツ・ツアーに途中合流するために、ヴァイオリンを渡邊孝と私に託していくことになっていた。2台の楽器を持って、飛行機(格安)に乗ることは危険だからです。彼女は、冗談交じりに「忘れないように、紙に”持っていくもの ヴァイオリン”と書いて壁に貼っておいてよ」というので、こちらも冗談で

持って行くもの ヴァイオリン

という大きく書いた紙を一番目立つ壁に貼っておきました。
そういうわけで、綾子氏はヴィオラとともに先にイタリアはシチリアへ。
残された2人+ドイツ人のアンドレアスは、アムステルダムから数日後に出発。
しかし、出発の日、渡邊孝と私は見事に寝坊。迎えにきたアンドレアスの呼び鈴で目覚め、大変な勢いでパッキングを済ませ、チェンバロを車に乗せ、一路ドイツに向ったのです。

アムステルダムからドイツへの道のりは車で10時間くらいだったでしょうか?
無事ゴータという町に到着、アットホーム(良く言えば)なペンションで休息をとった次の日はコンサートのある町に移動するまでの間、余裕の観光。至極順調なコンサートツアーのように思えた、その日の正午近くでした。
突然、渡邊孝の動きがピタっ!と止まった。

渡邊「か、か、か、か~けさ~~~~~ん」
私「え、なに?」
渡邊「た、た、大変なことに今、気がついたよ~~~」
私「え、、、なに!!!!????」
渡邊「ヴァイオリンをアムスに忘れてきたよ!!!!!!
私「え”え”え”~~~~~~~~!!!!!!!」

そう、私たちは

持って行くもの ヴァイオリン

という張り紙もむなしく、ヴァイオリンを数百キロ離れた遠いアムステルダムの家に忘れてきたのだ!

どうするタカシx2!どうするアンドレアス!どうするんだ~~~~!

<続く>
[PR]
by takashikaketa | 2006-03-21 00:58 | Diario 記録 | Comments(2)
Commented by さちおりん at 2006-03-21 18:23 x
すごい・・・笑!ドラマですね、これは。
「次週へ続く」的な終り方も、憎い。
というか、本当の話なんだよね・・・。
続き、気になります!
私も、イタリアに行くのに、パスポートを
家に忘れたことに気付き、ドイツ縦断の旅を
した事が、あります。その日は、ほぼ一日中
乗り物に乗っていました。
Commented by しつじ at 2006-03-23 04:28 x
おおー、テールガットは生ガットですか? と質問しようと思ったら、それどころではない展開が (^_^;

チェリスト 懸田貴嗣の備忘録


by takashikaketa
クリエイティビティを刺激するポータル homepage.excite
カレンダー
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30