ランゼッティ チェロ・ソナタ集CD発売記念連載 第4回
ランゼッティ チェロ・ソナタ集CD発売記念連載
第4回 ランゼッティ チェロ・ソナタ作品1の聴きどころ(4)
CDジャーナル ニュース
http://www.cdjournal.com/main/news/kaketa-takashi/46889
Yahoo ニュース
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120903-00000019-cdj-musi
Amazonでの注文ページは こちら
これまでの連載はこちら。
ランゼッティ チェロ・ソナタ集CD発売記念連載 第1回
ランゼッティ チェロ・ソナタ集CD発売記念連載 第2回
ランゼッティ チェロ・ソナタ集CD発売記念連載 第3回
各音楽雑誌のレビューも出揃いつつあり、少しほっとしています。
レビューとは別に、CDジャーナル10月号では、秋の夜長のバロック・チェロ、という題で簡単なチェロの発展史に加えて、お薦めのバロック・チェロCDを紹介する雑文を書いています。ぜひ御覧ください。66頁です。
さて、前回予告してしまったので、3番、1番、6番のソナタについて書かなければなりませんね。
これは未出版のランゼッティ作品の筆写譜表紙。元々のつづりであるLancettiとなっています。
3番ニ長調の1楽章はAdagio cantabile。ゆったりとした旋律が流れる中、ロンバルディックなリズム(短長)がフォルテで突然出てきたり、流れを中断するフェルマータがあったり、、、と実は様々な変化の多い楽章。以前実演したときはかなり装飾を付けたのですが、録音では控え目に、できるだけ元々ある装飾的なラインを生かして弾いています。2楽章は4拍子のAllegro。度々出てくるフォルテの同音反復パッセージが少々可笑しいですが、途中でニ短調になる部分は、増2度や毎小節のアポジャトゥーラがなんとも言えない憂いをもっていて、好きなところ。チェロとチェンバロは一生懸命連打してます笑。 3楽章のMenuet Allegroは渡邊氏のアイディアでチェンバロの4フィートを使用。チェロはずっと中音域にいるのですが、かわいらしいメヌエットになっているでしょうか?3番はニ長調という調のせいもあってか、他のソナタに比べると素直な音楽で明快。はじめてランゼッティのソナタを弾くときはこの曲をお薦めします。
1番のト長調はAllegro-Adagio-Rondeau Allegro。録音の1曲めはこのソナタだったのですが、編集段階で意外に苦労したのもこの曲。親しみやすく軽い語りかけで始まり、半音階の下降が少々のアクセントとなったり、明快なゼクエンツとともに展開する1楽章。2楽章はあまりにシンプルなメロディー(例えば、冒頭のシードシドシ~)のため、どう演奏すべきか悩みましたが、少々の装飾なども加えてAdagioの雰囲気が出たのではと思います。でも、このテーマはちょっとシンプルすぎるよな・・・ 3楽章は弾く度に好きになっていったRondeau。実は作品1の最後を飾る12番の最終楽章もRondeauなのですが、私にはこの2つが作品1の両端で呼応しているように思えてなりません。人懐こいロンドー主題、昔を懐かしむような反復。
とここまで書いたところで、あまり長くならないようにとお達しもあったので、今日はここまでにします。
最後の6番についてはまた次回、もしくは次々回?
第4回 ランゼッティ チェロ・ソナタ作品1の聴きどころ(4)
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ランゼッティ チェロ・ソナタ集CD発売記念連載 第2回
ランゼッティ チェロ・ソナタ集CD発売記念連載 第3回
各音楽雑誌のレビューも出揃いつつあり、少しほっとしています。
レビューとは別に、CDジャーナル10月号では、秋の夜長のバロック・チェロ、という題で簡単なチェロの発展史に加えて、お薦めのバロック・チェロCDを紹介する雑文を書いています。ぜひ御覧ください。66頁です。
さて、前回予告してしまったので、3番、1番、6番のソナタについて書かなければなりませんね。
これは未出版のランゼッティ作品の筆写譜表紙。元々のつづりであるLancettiとなっています。
3番ニ長調の1楽章はAdagio cantabile。ゆったりとした旋律が流れる中、ロンバルディックなリズム(短長)がフォルテで突然出てきたり、流れを中断するフェルマータがあったり、、、と実は様々な変化の多い楽章。以前実演したときはかなり装飾を付けたのですが、録音では控え目に、できるだけ元々ある装飾的なラインを生かして弾いています。2楽章は4拍子のAllegro。度々出てくるフォルテの同音反復パッセージが少々可笑しいですが、途中でニ短調になる部分は、増2度や毎小節のアポジャトゥーラがなんとも言えない憂いをもっていて、好きなところ。チェロとチェンバロは一生懸命連打してます笑。 3楽章のMenuet Allegroは渡邊氏のアイディアでチェンバロの4フィートを使用。チェロはずっと中音域にいるのですが、かわいらしいメヌエットになっているでしょうか?3番はニ長調という調のせいもあってか、他のソナタに比べると素直な音楽で明快。はじめてランゼッティのソナタを弾くときはこの曲をお薦めします。
1番のト長調はAllegro-Adagio-Rondeau Allegro。録音の1曲めはこのソナタだったのですが、編集段階で意外に苦労したのもこの曲。親しみやすく軽い語りかけで始まり、半音階の下降が少々のアクセントとなったり、明快なゼクエンツとともに展開する1楽章。2楽章はあまりにシンプルなメロディー(例えば、冒頭のシードシドシ~)のため、どう演奏すべきか悩みましたが、少々の装飾なども加えてAdagioの雰囲気が出たのではと思います。でも、このテーマはちょっとシンプルすぎるよな・・・ 3楽章は弾く度に好きになっていったRondeau。実は作品1の最後を飾る12番の最終楽章もRondeauなのですが、私にはこの2つが作品1の両端で呼応しているように思えてなりません。人懐こいロンドー主題、昔を懐かしむような反復。
とここまで書いたところで、あまり長くならないようにとお達しもあったので、今日はここまでにします。
最後の6番についてはまた次回、もしくは次々回?
by takashikaketa
| 2012-09-22 02:11
| Musica 音楽