古楽亭日乗

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2006年 02月 22日 ( 1 )

limoncelloに注意

最近週1回くらいのペースでイタリア語を習い始めました。
ナポリ出身のマリオくんとスタバでレッスンしてます。楽しいです。

今日のことわざ Meglio tardi che mai (遅くてもしないよりはまし)

去年イタリアをまわったときは、イタリア国鉄(trenitalia)には驚きました。
10分遅れなんては定時扱い、30分遅れはまあ普通、電車が来れば儲けもの。
乗ったはいいが、30分で着くはずのところ1時間半かかるなんてこともたまにある。
駅の端末が全部ダウンして、手書きの切符を一人一人に売っていた場面にも遭遇した
こともある。(おかげで駅はすごい行列!) trenitaliaはまさに毎日が想定外。
極めつけは、電車出発時間の掲示板が「18:65」を表示していたこともある!
そこまでくると、もうファンタスティック!!としか言いようがない。

駅で電車を待っていたら、いつまでたっても電車が来る気配がない。
駅員に聞いてみたら、「ああ、その電車はだいぶ早く着いたので、早く出発しました」とのこと。「ええ!!!そんなひどい話はないじゃないですか!」
駅員「だって、この先、いつ遅れるか分からないじゃないですか!」
(これ、実話らしい)
JRさんもこのぐらいのユーモアを身につけてほしい。あ、ユーモアじゃないか。

話は変わって、またvioloncello da spallaの話。
ディマが22日のBCJカンタータでチェロ・ピッコロのオブリガートをこの楽器で弾くみたいです。興味のある方は行ってみてください。東京オペラシティ。あ、今日だった。

 ボローニャのアカデミア・フィラルモニカのvioloncellistたちは、果たしてspallaのように楽器を構えていたのか、ということですが、それに関連して、1697年のA.Bononciniのvioloncelloオプリガートとソプラノのための作品を見てみました。最高音はA線のオクターブ上のa。c線はほとんど使用されていません。かと言ってe'線(またはd'線)を前提としたパッセージはありませんでした。オブリガートチェロは、ギターのように和弦をきざむ部分が頻繁に現れ、その音域とテクスチャーから楽器が小型である可能性は高いような印象を受けます。つまり、小型のspallaのような楽器が想定されていたのではないか、と想像することもできます。
 それをさかのぼること10年前の1687年ボローニャで出版されたAntoniiのRicercareでは、c''が現れます。調弦が(最高弦がgでなく)C-G-d-aとしても、開放弦の10度上は、spallaスタイルで構えた楽器ではほとんど不可能ではないのでしょうか?(Lambert Smit氏の検証を参照のこと。)ましてや、同時代ボローニャ人トレッリの初版のengravingにあるような大型楽器をスパッラ・スタイルで構えた時に可能な音域とは到底思えません。5弦だった、または4弦で調弦がG-d-a-e'(またはd')だったという可能性もアントーニの作品からはうかがえません。

 それからしばらく後、1736年のランゼッティのソナタ作品1では、もう左手親指を必要とするパッセージが出てきますから、1720年代後半のイタリアではすでに親指を使用する技術が生まれていたと考えるのが妥当です。つまり、楽器は足の間にはさんでいた、ということ。しかし、同時にランゼッティが椅子に座り、チェロを水平にかまえてアンサンブルしている様子を描いた絵画というのも残っているのです。(1750年代前半のパリ)

 要するに、17世紀末から18世紀前半にかけて、同時代であっても"violoncello"という語には、複数の演奏スタイルと楽器のサイズが含まれていたのではないか、ということがたったこれだけの例からでも推測できるのです。そして、今となっては、結局それぞれの作品を吟味し、それに相応しい響きを得るために楽器とテクニックを選ぶしかない。そして、それが生き生きと響くかどうかは演奏者次第、という当たり前の結論に落ち着くのです。

Chi cerca trova! (求めるものは見いだす)
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by takashikaketa | 2006-02-22 03:36 | Diario 記録 | Comments(4)

チェリスト 懸田貴嗣の備忘録


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